2021年3月にANAホールディングスから「マイルで生活できる世界」の実現を目指すという発表がありました。
ニュースでは「ANAマイル経済圏」なんて言葉も使われています。
コロナ禍で航空事業が大ダメージを受けた影響もあり、非航空事業を拡大する狙いがあるようです。
本記事では、現在発表されているANAホールディングスニュースの内容解説と、ANAマイル経済圏がどのようなものになるかの予想をしてみます。
マイルで生活できる世界を!ANAマイル経済圏構想
ANAマイル経済圏は2021年3月にANAが発表した『マイルで生活できる世界』を作り上げると言う構想です。
「〇〇経済圏」聞いて楽天を思い浮かべた人も多いと思います。(私もそうでした)
楽天では「携帯・ネット(通信)」「クレジットカード」「保険」「電気」「証券」「トラベル」などの提携サービスを使うほど楽天市場での購入時にもらえるポイントがアップします。
ANAマイル経済圏の特徴
楽天などの経済圏がお得を全面に出しているのに対し、ANAマイル経済圏では、リアルの充実度を上げる「便利さ」と「地域とのつながり」を重要視しているようです。
ANAホールディングニュースの中に出てくる「TaaS(Travel as a Service)」と「地域創生」がキーワードになってきます。
ANAの目指す「TaaS(Travel as a Service)」とは
ANAホールディングスニュースに出てくる「TaaS」によく似た言葉に、最近テレビなどでもよく聞く「MaaS(マース)」というものがあります。
こちらの意味はMobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)、直訳すると「サービスとしての移動」です。
現在でもGoogleなどでナビ検索をすると「鉄道+バス」のような、違う交通手段を組み合わせた経路が表示されたりしますが、さらに多様な手段が選択肢として上がったり、それらの予約や手配まで全て同一のアプリ上で行えるようにしたりするようです。
MaaS発祥の地フィンランドでは1つのアプリで経路検索から決済まで行えるサービスが始まっているようです。
Uber(配車アプリ)のような使い勝手で、更に他の乗り物も同時に使えるというイメージです。
日本でも東京などで実証実験が始まっているようですね。
ANAの提唱するTaaSはこのサービスを旅行や出張などの「旅」に特化させたもののようです。
例えば、
「家から目的地までの全ての移動(タクシー・電車・飛行機・バス・レンタカーなど)」と「目的地で行うこと(宿泊・飲食・観光・現地体験アクティビティ等)」
の全てを1つのアプリ(ANAスーパーアプリ)で行えるようになりそうです。
ANAあきんどと地域創生
ANAマイル経済圏はANAグループの「ANA X 株式会社」と「ANAあきんど株式会社(旧ANAセールス)」が中心となって提供するサービス圏です。
もともとは「ANAセールス株式会社」という1つの会社だったのが、旅行事業をANA Xに移して新会社にしたようです。
ANAPayやマイレージモールなどもANA Xがやっていくようです。
そしてANAあきんどは「航空セールス(ANAの航空券販売)」と「地域創生事業」を行っていきます。
ANAあきんどの目指す地域創生では
「商工業振興」「雇用対策」「人口減少対策」「農水業振興」「観光振興」「障害学習」「文化コミュニティ対策」「福祉・介護対策」
といった地域の課題を解決していくことを目標に掲げています。
コロナ禍でのANA社員の出向も「雇用対策」のヒントになっていそうです。
具体的にはメディアやSNSなどを使ったマーケティング支援による観光誘致支援や、地域の資源を生かした商品(農業体験など)の企画・開発・販売などのようです。
ANA機内誌「翼の王国」への地域情報の掲載や、中国人観光客を地方に呼び込むために、中国版のLINEのようなアプリ「WeChat」に観光情報を発信できるミニプログラムの製作も始めています。(都道府県自治体限定で、初回無償キャンペーンもやっているようです。)
2021年4月にはさっそく愛媛県と地域創生推進の連携提携を発表しています。
コンシェルジュが2拠点生活のお手伝い
ANAホールディングスニュースの中に、コンシェルジュを通じた『2拠点生活のお手伝い』や『おてつ旅』という言葉が出てきます。
例えば
なんて場合には、ANAあきんどに相談すると2拠点生活しやすい居住先や仕事先の提案をしてくれるのかも。
「おてつ旅」では自分のスキルを登録しておくと、地方でそのスキルを必要としてる人手不足な場所の紹介と移動手段などの提案もまとめてやってくれたり。
※両方とも私の予想です。
自分が地域で人手不足などに困っている側の立場なら、ANAあきんどにビジネスの相談もできそうですね。
陸マイラーとANAマイル経済圏
最後に、ANA陸マイラーの立場でANAマイル経済圏について考えてみました。
まず浮かんだのは「ANAマイルがもっといっぱい貯まる!」というワクワク、そして少しして「マイルで生活できる世界」の実現・・・?
というちょっとした疑問でした。
もしマイルが現在のような「何かを購入した時におまけでついてくるポイント」としての役割のままなら、とても「生活できる世界」にはならないと思います。
ですので、「(めちゃくちゃマイルを持っている人なら)マイルで生活できる世界」という意味だと思っています。
ANA仮想通貨発行?
「マイルで生活できる世界」という言葉からは、マイルが仮想通貨のような役割を果たすイメージが浮かびます。
しかし、すでに地方自治体などとも連携しているためビットコインのような不安定な形は取らず、「経済圏内で使えるポイント(楽天ポイントのようなもの)」となると予想されます。(つまり今とあまり変わらない)
ANAマイル経済圏の絵では決済方法に「ANA Pay」と「クレジットカード」が書かれているので、ANAマイルでANA Payにチャージできるようになるのではないかと思います。
期限が切れそうなANAマイルの救済にもなるので、そうなると便利そうですね。
がっつりマイルを貯めている陸マイラーからは本当にマイルで生活できる人も出てきそうです。
特典航空券は改悪される?それとも競争激化?
「マイルで生活できる世界」と聞いたときにもう1つ思い浮かんだのが、「現金でマイルをチャージ」と「特典航空券の改悪」でした。
マイルの購入は、海外の航空会社では行なっているところもあります。
しかし、経済圏を作って、その中の通貨としてマイルを使っているところはない(はず)です。
もしANAマイルを普通に購入できるようになると、値段によってはビジネスやファーストクラスの特典航空券を狙う人が増えると思います。
そうなると、「特典航空券の必要マイル数の増加」または「特典航空券争奪戦の激化」が待っているのでは。。。?
マイルで生活できる経済圏は陸マイラーにとって良い未来になるのか
ANA陸マイラーの私にとってすごく魅力的に見えるANAマイル経済圏。
地域創生をかかげ、便利で新しいサービスが生まれるかと思うとワクワクします。
雇用創出などにも言及しているので、そのあたりのサービスでもANAマイルが付与されるならマイルを稼ぐ方法もぐっと広がりそうです。
マイルもポイントも状況は常に変わるものなので、うまく変化についていきたいですね!